当事務所には、「刑事弁護に強い」法律事務所に相談してみたものの、結局依頼せず、あらためて相談・依頼に来る方がときどきいらっしゃいます。そのような方は、「刑事弁護に強い」事務所から提示される高額な弁護士費用を準備することができず、やむを得ず他の事務所を探すという場合が多いようです。

 

実際、そのようにして当事務所に相談にいらっしゃった方のお話をうかがうと、被疑事実に争いがないとか、被疑事実を認めている事件(自白事件)であるにもかかわらず、「刑事弁護に強い」法律事務所から、弁護士費用として70~90万円もの弁護士費用を提示されたとのことです。

通常、被疑事実に争いがないとか、被疑事実を認めている事件(自白事件)の弁護士費用は、20~40万円程度が相場と思われるため、2~4倍もの弁護士費用が提示されていることになります。しかし、そのような高額な弁護士費用を準備することができない方も多いと思われます。

そのようなときに、他の事務所を探す方はまだよいですが、どこの事務所もそのくらいの弁護士費用がかかると思ってしまい、結局弁護士に依頼することをあきらめてしまう方がいるとすれば、大きな問題です。また、そのような高額な弁護士費用を支払うことによって、被害者への示談金や保釈金を準備することができなくなるという問題も考えられます。

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そもそも、刑事弁護は、弁護士であれば1年目から一定数の依頼があるので、ほとんどの弁護士がそれなりの経験を持っています。とくに、被疑事実に争いがない事件や、被疑事実を認めている事件(自白事件)であれば、活動内容の種類・範囲はそれほど広くないので、ある程度の経験のある弁護士であれば、どの弁護士に依頼しても活動内容はそれほど変わりはありません。

したがって、裁判で無罪を主張したりするような難しい事件でない限り、「刑事弁護に強い」事務所に依頼する必要性は高くありません。

 

このように、「刑事弁護に強い」弁護士事務所だけでなく、一度他の弁護士事務所にも相談してみた上で、依頼するかどうか判断した方がよいと思います。

なお、当事務所では、現在、コロナウイルス感染防止のため、所員のマスク着用や相談室等の換気に努めています。

文責  西公園法律事務所 弁護士 横田由樹(仙台弁護士会所属)